2023有馬記念(GⅠ)予想
こんばんは。ちゃろです。
皆さん競馬は満喫されていますでしょうか。
まず、簡単にご挨拶をさせてください。
皆さまいつも当ブログ「犬でもできる競馬血統予想」をご覧いただき誠にありがとうございます。
今回の有馬記念が今年最後の予想となります。
また、Xの方では事前にお伝えしましたが、この有馬記念を最後に少しの間、このブログ更新をお休みさせていただくことになりました。
血統予想という少し玄人好みなものを、初心者を含めて誰でもわかるように簡単に、そして競馬血統の楽しさを提供できるようにこのブログを始めて約2年半の間、駆け抜けてきました。
このブログのすべての読者の方に感謝をお伝えしたいと思います。皆さまのレスポンスが本当に励みになりました。本当にありがとうございました。
これからも競馬は大好きですし、競馬予想を引退するわけではありません。あくまで休止ですのでまたいつか再開しようと思います。
今後は未定ですがXの方はとりあえず続けようと思いますのでもしよかったら引き続き仲良くしてください。
本当にありがとうございました。
さぁ!前置きが長くなりましたが予想にいきましょう!!
本日は年末のグランプリ「有馬記念(GⅠ)」の血統分析を行っていこうと思います。どうぞ最後までよろしくお願いします。
※おことわり
・データについてはあくまでも”ちゃろ調べ”ということでご了承ください。皆様の予想のご参考になれば幸いです。
12月24日 2023有馬記念(GⅠ)血統予想
~有馬記念の過去血統傾向~
<父・母父のワン!ポイント>(過去10年)
・父の好走数 日本型 19回 北米型 0回 欧州型 11回
・母父の好走数 日本型 5回 北米型 5回 欧州型 20回
<血統のワン!ポイント>(過去10年)
・父日本型のサンデー系(ディープ系)は過去10年で馬券になった馬30頭の内19頭。父サンデー系(ディープ系)にとってまずまず好成績のレースということが言える。
・その父日本型のサンデー系(ディープ系)を種牡馬別に見てみるとディープインパクトが5回、ハーツクライが4回、ステイゴールドとブラックタイドが3回ずつ。もう現役馬がいないか少ない種牡馬となっている。
・父サンデー系(ディープ系)の競走馬として馬券になった15頭(キタサンブラックが3回、ゴールドシップとシュヴァルグランが2回ずつを馬券になっている)の母父を分析してみると15年に2着となったサウンズオブアース以外の14頭が母父も欧州型だった。父サンデー系の場合は母父欧州型血統に注目をしたい。
・ちなみに父サンデー系(ディープ系)の母母父も分析してみたが母母父欧州型が13回、北米型が6回馬券になっていた。頭数でカウントすると母母父欧州型が11頭、北米型が4頭と差は歴然。
・父サンデー系(ディープ系)の狙い方がわかったところで父欧州型に話を移す。サンデー系種牡馬の世代交代に合わせるかのように父欧州型の躍進が非常に目立っている。
・まず注目はロベルト系。昨年はボルドグフーシュ(父スクリーンヒーロー)が2着、ジェラルディーナ(父モーリス)が3着と結果を残した。実は4、5着馬も父ロベルト系だった。さらに21年にはエフフォーリア(父エピファネイア)が勝利。少し古いところでは15年にゴールドアクター(父スクリーンヒーロー)が勝利し、翌16年も3着に好走している。
・父キングマンボ系は18年にレイデオロが勝利、19年はサートゥルナーリアが3着に入っている。古くはトゥザグローリーの人気薄での連続3着やルーラーシップ、エイシンフラッシュなど時代を作ってきた名馬が好走してきた近年はやや不振。ちなみに勝利したレイデオロの母父は先述した通り有馬記念に相性の良いロベルト系だった。
・その他の父欧州型の好走馬は父バゴ(欧州型ナスルーラ系・ブラッシンググルーム系)のクロノジェネシスが20年に勝利、21年は3着に入っている。また欧州型の代表格といえばノーザンダンサー系ということになるが、父欧州型ノーザンダンサー系の好走馬は18年に勝利したブラストワンピースのみとやや寂しい結果となっている。
~有馬記念のレース質~
※このコーナーでは血統以外のファクターから好走馬を炙り出します。
今回の注目ポイントは
【枠順】・・・過去10年で勝率、連対率、複勝率は5枠がトップで三冠を達成。確かにデータ上はこうなってしまうが、近3年は1人気がすべて勝利しており、その3頭すべてが5枠だったことが大きい。そのため5枠が良いというわけではない。他の注目は公開抽選などで引くとみんな嫌な顔をする8枠。コーナーが6回もあるトリッキーなコースは外々を回らされやすくなるため確かに不利が大きい。過去10年で連対はなく18年にシュヴァルグランが3着になっただけ。有名データだけに妙味は微妙だが割引は必要だ。
【ローテ】・・・過去10年の3着内トップは前走ジャパンカップ組(8回)。菊花賞組、天皇賞・秋組(ともに6回)、凱旋門賞組(4回)、エリザベス女王杯組(3回)と続く。近3年は前走天皇賞・秋組が3勝。余裕のあるローテで消耗を防げた点が勝利につながったと考えるのが自然だろう。ジャパンカップ組は当然連対馬が人気になるが【0-1-1-7】と勝ち切れていない点に注目。連対馬よりも惜敗した馬の巻き返しを狙いたい。17年8人気2着のクイーンズリング、20年11人気2着のサラキアと穴をあけたのがエリザベス女王杯組。いずれも府中牝馬S、エリザベス女王杯というステップを踏んだ5歳馬だった。今年もエリザベス女王杯からのローテで出走馬がいれば注意したい。
【ペース・脚質】・・・過去10年はハイペース2回、ミドルペース2回、スローペース6回。レースの上がりとしては当然上位の数字を残す必要があるが、タイムとしては35秒台~36秒台といったところ。冬のタフな馬場で坂を上る長距離戦。東京で求められるようなキレキレの瞬発力は求められない。東京で当時のレコードを記録するなど素晴らしい瞬発力を誇るアーモンドアイが力を出し切れなかったことを考えればわかりやすいだろう。
後方一気が難しいのが鉄則で数字上は4角8番手以内から急坂に負けぬ馬力を発揮して駆け上がるのが理想的。ただし前にいれば良いというわけではない。逃げ馬には苦しい展開を強いられやすいレースで4角先頭から逃げ切り勝利したのは17年のキタサンブラックただ1頭。これは内枠だったことも大きい。4角先頭から馬券になったのはキタサンブラックの2回だけ。
【騎手】・・・過去10年でルメール騎手が6回馬券になっている。これは近7年で6回馬券になっており驚異的な数字だ。しかし惜敗も多く勝利は16年のサトノダイヤモンドと22年のイクイノックスとともに1人気だった。続くのは武豊騎手の3回、岩田康騎手、吉田隼騎手、池添騎手の2回。
【性別・馬齢・斤量・厩舎など】・・・馬券になった30頭の内、牡馬23頭、牝馬7頭。牝馬が不利なわけではないが、牝馬で勝ち切るには歴史に残るような実力馬でないと難しい。馬齢は圧倒的に3歳馬。そもそも3歳から4歳になるこの時期は成長曲線として最もいい時期の馬も多い。馬体もほぼ完成しているのにも関わらず2キロの斤量差は大きなハンデとなる。そして6歳馬以上は【0-0-1-32】とかなり厳しい。ちなみに唯一の3着は8枠の法則も壊した18年のシュヴァルグランのみ。
~出走馬全頭血統分析~
馬番 名前 性別馬齢 騎手
前走成績
血統適性、能力実績(SABCDEFG)の8段階で評価
血統表・血統分析・コメント
の順に表記
①ソールオリエンス 牡3 56 川田
前走:23年菊花賞(GⅠ)3着
血統:B+ 能力:C
<血統構成>
<血統分析>父キタサンブラックは菊花賞、天皇賞春秋、有馬記念などGⅠ7勝。豊富なスタミナ、馬力と先行力で一時代を築いた。産駒はスタミナを武器に長く脚を使うタイプだった自身と異なり瞬発力があるキレるタイプも多数。
母系は重厚な欧州型。母父モティヴェイターは英ダービー馬。母父としてはタイトルホルダー(天皇賞春、菊花賞)、ステラリア(福島牝馬S)などの活躍馬を出している。
母スキアは仏GⅢフィユドレール賞の勝ち馬。半兄ヴァンドギャルドは富士Sの勝ち馬でドバイターフでも2着の実績を持つ。
父は有馬記念で3年連続好走実績があり、母系の重厚さも完璧にクリア。血統適性は十分、内枠から包まれず捌ければ勝機あり。
<コメント>皐月賞の勝ち馬。前走の菊花賞はやはり距離が少し長かった印象。距離短縮となる今回は絶好。包まれる危険性はあるが、ここ2戦外枠からのロスがあったことを考えれば内枠も歓迎。中山ではすべて重賞で【2-1-0-0】と抜群の安定感を見せている。好相性の中山の空を舞台に、”朝日”は再び最高の輝きを見せる。
②シャフリヤール 牡5 58 松山
前走:23年BCターフ(米GⅠ)3着
血統:D 能力:D
<血統構成>
<血統分析>父ディープインパクトは三冠などGⅠ7勝、2012年から11年連続リーディングサイアーであり、日本の現代競馬の代表的な種牡馬。今や説明不要の至高の瞬発力やスピードは最高クラスでサンデー系の中でも卓越したものがある。
母系はどちらも北米型血統でディープの瞬発力やスピードをさらに強化している。母父エッセンスオブドバイはUAEダービーなどUAEや北米で重賞4勝。
母ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリント(米GⅠ)の勝ち馬。全兄アルアインは皐月賞、大阪杯とGⅠ2勝。現在は種牡馬として活躍している。
ダービー馬だけあって本質的には瞬発力が問われる舞台の方が向く。馬齢を重ねズブくなってシフトしている可能性はあるが、有馬記念の好走血統を考えればもう少し重厚な欧州色が欲しい。
<コメント>21年ダービー馬。BCターフの後は香港ヴァーズを走る予定も主催者のチェックに引っかかり出走が認められない事態に。当初予定のなかった有馬記念へのステップは順調とは言いにくい。キャリア11戦目だが中山を走るのも初めて。今回は地力勝負で挑む。ダービー馬がアクシデントを乗り越えて”偉大な王”となる。
③ホウオウエミーズ 牝6 56 田辺
前走:23年福島記念(GⅢ)1着
血統:E 能力:E
<血統構成>
<血統分析>父ロードカナロアは香港スプリント連覇などGⅠ6勝。非常に総合力が高く瞬発力やスピードは素晴らしい素質を持つ。内枠や距離短縮で期待値が高い。母系の良さを引き出すことができる万能種牡馬。
母系は母父にダート馬からスピード馬まで幅広く活躍馬を出すがフィリーサイアーのアグネスタキオン、母母父にリファール系の代表と言えるダンシングブレーヴの血を引き、伊ダービー馬で凱旋門賞2着のホワイトマズルが入っている。
母エミーズスマイルは中央2勝、近親にUAEダービーやコリアCを勝利したクラウンプライドや北海道2歳優駿の勝ち馬ディラクエがいる。
少し「軽い」というイメージは否めない。4ラインに欧州型血統を2つ持っているがキングマンボ系もリファール系もどちらかと言えば軽いスピード血統。もう少し重厚で馬力を強化する血を持っていた方が好走パターンに当てはまる。適性があっているとは言いにくい。
<コメント>福島記念の勝ち馬。GⅠ経験は22年エリザベス女王杯(7着)のみで、このメンバーに入れば実績不足は否めない。距離もキャリア最長でやや不安が残る。それでも中山は得意で【3-4-0-5】と連対率は50%超と相性は良い。逆境に負けない伏兵の走りは不死鳥の如く見るものを圧倒せよ。
④タイトルホルダー 牡5 58 横山和
前走:23年ジャパンC(GⅠ)5着
血統:B 能力:B
<血統構成>
<血統分析>父ドゥラメンテは皐月賞、ダービーの二冠馬。日本で活躍できる血統を詰め込んだザ・主流血統。休み明けのフレッシュな状態や揉まれにくい外枠や少頭数で期待値が高い。コースは広い方が良く、芝の中距離競走で安定している。
母系は重厚さが際立つ欧州血統が並ぶ。母父モティヴェイターは英ダービー馬。母父としてはソールオリエンス(皐月賞)、ステラリア(福島牝馬S)などの活躍馬を出している。母母父はミルリーフ系のシャーリーハイツでこの馬は英ダービー、愛ダービーと欧州の2つのダービーを制覇している。
母メーヴェは重賞制覇はならなかったがJRAで5勝。半姉には馬体重300キロ台中盤という極端に小柄ながら菊花賞5着となったメロディーレーンがいる。
4ライン中3ラインが欧州型。特に母系は欧州型の中でも馬力とスタミナを長所とするサドラーズウェルズ系とミルリーフ系という重厚な血統を持つ。過去2年も外枠の影響は少なからずあり適性自体は悪くない。今回は内枠で力を発揮できる。
<コメント>菊花賞などGⅠ3勝馬。今年は連覇を果たした日経賞に勝利したのみ。同じく連覇を目指した天皇賞(春)ではアクシデントで競走中止もあったが、依然として高いパフォーマンスを発揮し続けている。日経賞は有馬記念と同コースで適性は十分。過去2回の有馬記念の凡走は枠順が影響。今回は念願の内枠を引き当てた。目立つ逃げ馬が不在の今回はマイペースの流れも作り出せる。競馬界を背負って走り続けたこの馬も今回が引退レース。菊花賞、天皇賞、宝塚記念は獲った。あと欲しいタイトルは有馬記念ただ一つ。
⑤ドウデュース 牡4 58 武豊
前走:23年ジャパンC(GⅠ)4着
血統:D 能力:B
<血統構成>
<血統分析>父ハーツクライは有馬記念などGⅠ2勝。日本で唯一ディープインパクトに土を付け、種牡馬としても数々の名馬を生み出した。ハーツクライはトニービンの影響を強く受けており、その一番の特徴は成長力で晩成傾向がある。サンデー系の中では欧州志向が強く、スタミナ、しぶとい馬力を強化する。
母系は母父も母母父も北米型血統。母父ヴェンディケイションは米GⅠのBCジェヴェナイルの勝ち馬。母母父ゴーンウエストは米GⅠドゥワイアSの勝ち馬。
母ダストアンドダイヤモンズは米GⅡギャラントブルームHなど重賞2勝。近親といえるかは微妙だが牝系を辿るとダンシングブレーヴがいる一族。
血統分析からはあまり強く推すことは難しいポイントが2つ。1つ目はこの馬が有馬記念と真逆の血統適性が求められるダービーを制覇していること。2つ目は母系に重厚な欧州の血を持っていないこと。キャリアを重ねてキレより馬力に寄ってきた面があるが、有馬記念がぴったりの適性とは考えにくい。
<コメント>22年のダービー馬。7か月の休み明けから再起を図った天皇賞(秋)は急きょの乗り替わりも影響したか不完全燃焼。前走のジャパンカップ4着は復活の兆しを見せている。右回りは3勝を挙げており複勝率は100%。今回は武豊騎手とのコンビ復活。レジェンドを背に自身も完全復活へ。久々の勝利はもう目前にある。
⑥ディープボンド 牡6 58 マーカンド
前走:23年ジャパンC(GⅠ)10着
血統:B 能力:D
<血統構成>
<血統分析>父キズナは13年のダービーを含む重賞5勝。種牡馬としては自身の父のディープインパクトとは異なり、上がりがかかる馬場や非根幹距離にも強い。パワーに優れておりダート馬も多数輩出するほど。
母系は母父に高松宮記念を勝ったキングヘイロー、母母父に米GⅠターフクラシックSを制しキングジョージⅥ世&QエリザベスSで2着になったカコイーシーズを持つ。
母ゼフィランサスはJRA3勝。同じ一族に高松宮記念、スプリンターズSと春秋スプリントGⅠを制したローレルゲレイロがいる。
キレではなくて馬力で勝負するキズナ牡馬の典型例。母系も欧州型で21年に2着になった実績を踏まえても適性は悪くない。昨年は8枠で論外、前走のジャパンCも適性があっていたとは言いにくい。ローテが疑問だが、力の衰えはなく人気次第では妙味も。
<コメント>阪神大賞典の2年連続勝ち馬。GⅠで2着4回も未だに無冠。ただ有馬記念はこの馬にとってベストに近い条件の一つ。21年は馬群を縫ってじりじりと脚を使い2着に好走。昨年は大外枠で力を発揮できなかった。前走のジャパンカップは大敗したが元々瞬発力のキレ勝負は向かない。今回は条件好転で巻き返しのチャンス。鞍上とは新コンビになるが、新たな刺激を生み出す乗り替わりは今”深い絆”に進化する。
⑦アイアンバローズ 牡6 58 石橋脩
前走:23年ステイヤーズS(GⅡ)1着
血統:C 能力:D
<血統構成>
<血統分析>父オルフェーヴルはクラシック三冠に加え有馬記念を2度制した。父ステイゴールドから受け継ぐ激しい気性と爆発力が武器。その一方で繊細なタイプも多く、好走と凡走の振れ幅が大きい。闘争心を生かせる内枠や重馬場で期待値増。成長力も魅力的。
母父ロイヤルアンセムはヌレイエフ系の種牡馬で、現役時代は北米と英国の芝GⅠ3勝。
母パレスルーマーは米国で5勝。半兄パレスマリスはベルモントSなどGⅠ2勝。半弟ジャスティンパレスは天皇賞(春)の勝ち馬。母系はスタミナ溢れるタイプ。
父はサンデー系の中でも馬力とスタミナを強く伝え、母系も欧州色が強い点は好走血統パターンに合致。母母父レッドランサムは現役時に北米で走っていたため私は北米型に区分しているが、ロベルト系で欧州のルーツを汲んでいる。方向性は合っているがGⅠではスピード不足に跳ね返されている印象。
<コメント>前走のステイヤーズSで悲願の初制覇。道中で仕掛けると迷うことなく大逃げの形に持ち込んで最後は自慢の持久力勝負で後続の追撃をねじ伏せた。前回あれだけの走りを見せたため疲労具合は心配だが、好走には逃げても追っても淡々と自分の形に持ち込むことが必須。鉄仮面のポーカーフェイスは前走の再現を虎視眈々と狙う。
⑧ライラック 牝4 56 戸崎
前走:23年エリザベス女王杯(GⅠ)4着
血統:C 能力:E
<血統構成>
<血統分析>父オルフェーヴルはクラシック三冠に加え有馬記念を2度制した。父ステイゴールドから受け継ぐ激しい気性と爆発力が武器。その一方で繊細なタイプも多く、好走と凡走の振れ幅が大きい。闘争心を生かせる内枠や重馬場で期待値増。成長力も魅力的。
母系も日本で競走成績を送った馬で主流に近い血統配合となる。母父キングカメハメハはダービーなどGⅠ2勝、母母父フジキセキは朝日杯3歳S(現・朝日杯フューチュリティステークス)の勝ち馬。
母ヴィーヴァブーケはJRA1勝、母母父ブルーリッジリバーは桜花賞2着。半兄ブラックホールは札幌2歳Sの勝ち馬。
父サンデー系、母父キングマンボ系で比較的日本の主流血統での配合。牝馬の馬力比べなら適性は上位で、このレースにおいてもキレキレの瞬発力勝負にならないため適性自体は合っている。ただもう一言いうならば母系にもう少しだけ重厚さが欲しい。
<コメント>フェアリーSの勝ち馬。皆勤賞の牝馬クラシックはすべて二桁着順と振るわなかったが、エリザベス女王杯で2着に激走。今年も走りに波はあるが、着々と力を付けてきた。もちろんこのメンバーに入れば実績的には劣るものの、タフさが生きるこの舞台なら可能性は無限大に広がっていく。今だ成長を続ける牝馬は下剋上の時を待っている。美しき花を満開に咲かせるレースで最高の思い出とせよ。
⑨ヒートオンビート 牡6 58 坂井
前走:23年アルゼンチン共和国杯(GⅡ)3着
血統:D 能力:C
<血統構成>
<血統分析>父キングカメハメハは現役時代8戦7勝。NHKマイルCとダービーの変則二冠馬を達成した。基礎的なスピード能力を持ちながら母系の良さを引き出し様々な産駒を生み出す特徴を持つ。キンカメ系がまとめて好走しやすいコースが存在するのも特徴。
母系は母父に日本の至宝ディープインパクト、母母父には英GⅠセントジェームズパレスSを勝ったマルジュがいる。
母マルセリーナは桜花賞馬。母母マルバイユも仏GⅠ馬。半兄ラストドラフトは京成杯の勝ち馬。他にも近親に重賞3勝のグランデッツァがいる。
配合自体はキンカメ×ディープの主流タイプ。ラストタイクーンの3×4というクロスが長距離をこなせるスタミナや馬力を強化した。その分瞬発力やスピードがやや削がれている印象。広いコースの長距離戦は合うが、急坂のコースを得意としている印象はあまりない。
<コメント>目黒記念の勝ち馬。東京2500mが得意で広いコースながら2度の坂の上りでタフさが問われるレースに絶対の自信を持つ。とはいえ根っからタフな急坂コースになると力を出し切れないレースも。GⅡ、GⅢの常連好走馬だがGⅠは22年天皇賞(春)以来1年半の挑戦。自分の”リズムに乗って”チャレンジャーの実力馬が激走を見せるか。
⑩ジャスティンパレス 牡4 58 横山武
前走:23年天皇賞・秋(GⅠ)2着
血統:C 能力:A
<血統構成>
<血統分析>父ディープインパクトは三冠などGⅠ7勝、2012年から11年連続リーディングサイアーであり、日本の現代競馬の代表的な種牡馬。今や説明不要の至高の瞬発力やスピードは最高クラスでサンデー系の中でも卓越したものがある。
母父ロイヤルアンセムは北米と英国の芝GⅠ3勝。母系から欧州のスタミナや馬力を取り入れている。
母パレスルーマーは米国で5勝。半兄パレスマリスはベルモントSなどGⅠ2勝。同じく半兄アイアンバローズはステイヤーズSの勝ち馬。母系はスタミナ溢れるタイプ。
兄アイアンバローズはオルフェーヴル産駒だが、こちらはディープインパクト産駒。なるほどGⅠでの決め手勝負となればやはりこちらの方が上だ。ディープ本来が持つスタミナに加えて母系からも強化している。筆者はクラシックから注目していたが、やはりクラシックには体力の完成が間に合わずひと夏越えてから成長を見せた。成長曲線で見ればまさに脂がのっている状態。
<コメント>天皇賞(春)の勝ち馬。天皇賞(春)から宝塚記念、天皇賞(秋)と使って【1-1-1-0】と抜群の安定感を見せた。昨年の有馬記念では最後の坂で伸びを欠いた。それでもこの1年長距離を中心にさらに力を付けてきた。ここ2戦でどちらも敗れたのは世界ランキング1位で先日引退となったイクイノックスのみ。イクイノックスがターフを去った今、実力を日本中に知らしめる機会がやってきた。誇り高きその走りで最高の牝系一族を証明する。
⑪ハーパー 牝3 54 岩田望
前走:23年エリザベス女王杯(GⅠ)3着
血統:D 能力:C
<血統構成>
<血統分析>父ハーツクライは有馬記念などGⅠ2勝。日本で唯一ディープインパクトに土を付け、種牡馬としても数々の名馬を生み出した。ハーツクライはトニービンの影響を強く受けており、その一番の特徴は成長力で晩成傾向がある。サンデー系の中では欧州志向が強く、スタミナ、しぶとい馬力を強化する。
母系は北米色の強いダート血統。母父ジャンプスタートは米GⅡサラトガスペシャルSの勝ち馬。母母父カーソンシティは北米短距離ダート重賞3勝。
母セレスタはアルゼンチンのGⅠ馬で重賞5勝。半姉ヴァレーデラルナはJBCレディスCの勝ち馬。
ハーツクライ産駒ながら母系のスピード、成長の早さを生かし早い段階から活躍。ただその母系の良さは有馬記念では生きにくく適性は疑問。加えて重賞では初めての牡馬混合戦で試練の一戦。
<コメント>クイーンCの勝ち馬。どんな条件でもそれなりに走れていまうポテンシャルの高さは折り紙付き。牝馬クラシックはタイトルまであと一歩届かなかったものの、4着、2着、3着と世代を代表する素晴らしい結果を残した。初の牡馬混合戦でどこまで力が出せるかはやや未知数だが、軽斤量と勢いを生かして頂点を目指す。華麗な音色を奏でて駆け上がる姿は感動の拍手を生み出すことになる。
⑫ウインマリリン 牝6 56 モリス
前走:23年BCフィリー&メアターフ(米GⅠ)4着
血統:D 能力:E
<血統構成>
<血統分析>父スクリーンヒーローは溢れるばかりのスタミナと成長力でジャパンカップやアルゼンチン共和国杯を制した。サンデー系が強く出るマイラータイプかロベルト系が強く出るステイヤータイプに分かれることが多い。馬力が特徴で道悪の消耗戦は大歓迎。
母系は反対に北米型血統。母父フサイチペガサスはケンタッキーダービー馬。母母父ブエナショアは重賞実績はないもののボールドルーラー系のスピードを伝えている。
母コスモチェーロはJRA1勝。半兄ウインマーラレイはラジオNIKKEI賞の勝ち馬。
父スクリーンヒーローは血統分析で紹介した通り、今最も有馬記念に合う血統のロベルト系。昨年も父スクリーンヒーローのボルドグフーシュが2着に好走した。母系は北米型で重厚なタイプではないが、父が欧州血統なのでスピード、持続力の強化とのバランスを考えれば悪くない。ローテの問題と全盛期をやや過ぎた感があるのがひっかかるが。
<コメント>昨年の香港ヴァーズの勝ち馬。今年は3戦して馬券内はなしとやや精彩を欠いているがその地力はこのメンバーに入っても見劣りすることはない。キャリア6勝の内4勝をここ中山で挙げており2500mは日経賞で勝利の経験もある。平坦な瞬発力コースより坂のあるタフなコースは巻き返し材料十分。世界を経験して培ったキャリアの集大成で有終の美を飾れ。
⑬タスティエーラ 牡3 56 ムーア
前走:23年菊花賞(GⅠ)2着
血統:C 能力:C
<血統構成>
<血統分析>父サトノクラウンは宝塚記念、香港ヴァーズとGⅠ2勝を含む重賞6勝。大雨で不良馬場の天皇賞(秋)では2着だった。欧州型ノーザンダンサー系であるトライマイベストの血を直系で受け継ぐ。本質的には芝の中距離に向き、ダートはさっぱりの産駒が多数。
母系はサンデー系×ヴァイスリージェント系数々の名馬を生み出したニックス。母父マンハッタンカフェは長距離GⅠ3勝の名ステイヤー。母母父フレンチデピュティはクロフネの父として有名。母系からスピード、パワーを補強する。
母パルティトゥーラはJRA3勝。牝系を辿ると8歳でGⅠを連勝したカンパニーや天皇賞(秋)を勝利したトーセンジョーダンと同じ一族。
血統分析としては非常に判断に迷う1頭。この血統でダービーに向くとは思えなかったが、ダービー馬となった背景がある。ダービーでは上がりタイムに差がなく道中のポジションが生きた競馬で鞍上の位置取りが勝負を分けた。血統表から読み取るにあまりキレる血統というイメージはない。能力の高さは間違いないが、有馬記念に向く血統かどうかは正直わからない。やや外枠なことも含めオッズ妙味で取捨選択をしたい。
<コメント>23年ダービー馬。クラシックはすべて1人気になることはなかったが2着、1着、2着とオール連対。安定感のある走りは大きな武器になる。コースの違いこそあれど中山は【1-1-0-0】と得意の舞台。古馬初対戦で有利とはいえない7枠と不安材料もあるが、3歳の斤量を生かして鞍上の世界を代表するスーパースターがVロードをひた走る。世代を極めたダービー馬、強音を響かせ競馬界の頂点へ。
⑭プラダリア 牡4 58 ムルザバエフ
前走:23年京都大賞典(GⅡ)1着
血統:D 能力:C
<血統構成>
<血統分析>父ディープインパクトは三冠などGⅠ7勝、2012年から11年連続リーディングサイアーであり、日本の現代競馬の代表的な種牡馬。今や説明不要の至高の瞬発力やスピードは最高クラスでサンデー系の中でも卓越したものがある。
母系はクロフネ、フォーティーナイナーとも北米型でディープインパクトの瞬発力やスピードを強化する傾向がある。しかしこの馬は母系がかなり強く出ておりクラシック向きの瞬発力より速いスピードで走り続ける北米型特有の持続力が強く出ている。
母シャッセロールはJRA3勝。三代母のリトルオードリーは報知杯4歳牝馬S(現フィリーズレビュー)の勝ち馬でオークス3着の実績。
この馬はディープ×北米ダート血統でクラシックに勝利する馬も多い配合(ニックス)。しかしながらこの馬はディープらしい爆発的な瞬発力よりも母系の持続力が強く特徴に出ている。そのため速い上がりは使えないという稀なタイプ。母系に欧州の重厚な血を持たないため血統的には軽視。
<コメント>GⅡ2勝の実力馬。前走の京都大賞典は3歳時青葉賞以来のGⅡ制覇。確実に調子は上げている。ディープインパクト産駒ながら瞬発力よりパワーを生かして持続力を生かすタイプ。メンバーは強化となり、好走が西に寄っている点もやや懸念材料ではあるが自分の走りでベストを尽くす。“草原”の如くスケールの大きな走りでビッグタイトル奪取へ。
⑮スルーセブンシーズ 牝5 56 池添
前走:23年凱旋門賞(仏GⅠ)4着
血統:C 能力:B
<血統構成>
<血統分析>父ドリームジャーニーは有馬記念、宝塚記念の春秋グランプリ制覇などGⅠ計3勝。オルフェーヴルの全兄としても有名。自身もグランプリで活躍したようにコーナーの多い小回りコースの中長距離で力を発揮する産駒が多い。ステイゴールド系特有の息の長い末脚と豊富なスタミナを産駒に伝える。
母系はともに北米型でサンデー系の瞬発力やキレをプラスする傾向がある。凱旋門賞でもある程度走れてしまう非凡な馬力はステイゴールドやメジロマックイーンといった父系から受け継いだもの。
母マイティースルーはJRA4勝。半姉パッシングスルーは紫苑Sの勝ち馬。
この馬もサンデー系×北米型だが、仕上がりが遅くクラシック血統ではなかった(余談だが牝馬のクラシックはもっと軽い血を狙うのが基本)。成長力や急坂に負けない馬力は父ドリームジャーニー、もっと言うと父母父のメジロマックイーンの影響が大きい。牝馬では珍しい晩成型で状態は今が一番いいだろう。血統分析なら重視したい1頭だがとにかく枠順に恵まれなかった。
<コメント>中山牝馬Sの勝ち馬。元々紫苑Sで2着になるなど実力の片鱗を見せてきたが、伸び悩んだ期間もあり今年のスタートは3勝クだった。春の中山牝馬Sで重賞初勝利を挙げると勢いそのままに宝塚記念では10人気ながら2着へ好走し世界への切符を掴んだ。凱旋門賞でも4着と大健闘。成長曲線は頂点を迎え充実期を迎えている。中山では7戦のキャリアで【4-1-2-0】と複勝率は100%の相性。海を越えて世界に示した存在感。今度は日本でグランプリ男が頂点へ導く。
⑯スターズオンアース 牝4 56 ルメール
前走:23年ジャパンC(GⅠ)3着
血統:C 能力:A
<血統構成>
<血統分析>父ドゥラメンテは皐月賞、ダービーの二冠馬。日本で活躍できる血統を詰め込んだザ・主流血統。休み明けのフレッシュな状態や揉まれにくい外枠や少頭数で期待値が高い。コースは広い方が良く、芝の中距離競走で安定している。
母系は北米型と欧州型の配合。母父スマートストライクは米GⅠフィリップ・H・アイズリンSの勝ち馬。北米型なのでベースはダートだが芝適性もあり産駒のブレイクランアウトが共同通信杯を勝利したこともある。先週朝日杯FSを勝利したジャンタルマンタルもこの血筋を受け継いでいる。母母父モンズーンは現役時にGⅠ3勝。ドイツを代表する種牡馬でドイツでは4度リーディングサイアーになっている。
母サザンスターズは英国で1勝。近親にも名馬が多く、叔母のスタセリタは仏オークスなどGⅠ6勝の名牝。その半妹にあたるソールスターリングはオークスなど日本でGⅠ2勝の実績。
ドゥラメンテ×北米型血統もいわゆるクラシック血統。ただし母母父にモンズーンを持っていることで底力を補強し様々なコースで対応しているように感じる。ただ本質的には瞬発力を生かすキレる血統で冬のタフな中山が適性としてぴったりの条件ではないだろう。
<コメント>桜花賞、オークスの牝馬二冠馬。前走は天皇賞(秋)回避で臨んだジャパンカップで3着。イクイノックス、リバティアイランドに続く3着は非常に価値がある。キャリア11戦で成績はすべて3着内と複勝率は100%。6戦連続でGⅠを走っていながらも好走を続けていることからポテンシャルの高さは計り知れない。フェアリーS以来となる中山は不問だが、やはり枠順が鬼門。能力の高さで大外枠もなんのその、中山のターフに最も輝く一番星となれ。
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